『明日の記憶』・本
明日の記憶 荻原浩 光文社 (2004年10月)
327ページ
映画『私の頭の中の消しゴム』を観た後
この原作本があったら読みたいなぁと思ってネットで調べていたら
日本でも若年性アルツハイマーを扱った『明日の記憶』という映画が
監督 堤幸彦、主演 渡辺謙でやることを知って
これは映画を観る前に原作を読んでおこう!と図書館で予約した。
すごく予約が多くて『私の頭の中の消しゴム』を観た
去年の9月からずっと待っていたのだけれど
なんとか映画が公開される前に順番が回ってきた。
広告代理店で営業部長として働く50歳の佐伯は、最近物忘れがひどくなった。睡眠もあまり取れていない。大きな仕事をとったことと、まだ若いと思っていた娘の梨恵が結婚を控えていることがストレスとなっているようだ。そんなある日、佐伯は大事なクライアントとの打ち合わせをすっぽかす大失態を犯してしまう。心配になった妻の枝実子の勧めで病院に行った佐伯。何回目かの通院で告げられた病名は若年性アルツハイマーだった…。
『アルジャーノンに花束を』を読んだ時にうまいなぁと思った表現で
主人公の脳の働きが衰えている表現として
チャーリーの日記に誤字が増えるというのがあった。
漢字が間違えて書いてあったりひらがなが増えたり。
今回も主人公の備忘録には徐々に誤字やひらがなが増えていった。
記憶力の低下が一目でわかる日本語って便利だなぁと思った。
私は多分他人よりも記憶力が悪く、人の名前だとか今まで経験してきたいろいろな思い出だとかも片っ端から忘れてしまう。仕事をしていてもやることが増えると何か忘れてしまうような気がしてメモは欠かせず、常に持ち歩いている。だからこういう小説や映画を観るとすごく不安になる。そしてとても感情移入しやすい。楽しかった思い出を、同じ経験を共有した人とまた振り返って共有できないこともよくあるので、主人公の悲しさが身をもって分かる。人が生きていたっていう証しはその人に関わった人たちの記憶による。その記憶がなくなってしまうのだからこんな悲しいことはない。だから年をとってさらにいろんな記憶を失っても自分が大切だと思う人の存在だけは忘れたくないと願う。
今まで脳関係の映画やドラマで泣かないものはなかったから
この映画も観たら泣けちゃうんだろうなぁ。
ちなみに映画『明日の記憶』は5/13公開だ。
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コメント
こんにちは!
謙さんの映画、実は楽しみにしてます。
気になるところはやはり「記憶」もの。最近多いのはなんででしょうかね。私の今年の映画を見る上でのテーマは「忘れない」…という事みたいですわ。
実際にプライベートでもかなり物忘れがひどくって(^^ゞ
人の記憶は削除されるものではなく、ただ単に忘れているだけでありたい。ぬくもりのようなものを感じる五感は忘れないものと信じたいですわ。
ところで、あつかましいお願いがありまして…
「色バトン」受け取っていただけないかなと思ってます。すでに受け取られていたりなさっていたら失礼しました。
もちろん、私がアンカーになるぞ~って意気込んでますのでスルーでも結構です!ご一考くだされば嬉しいです!
投稿: charlotte | 2006年2月24日 (金) 12時12分
charlotteさん>そういえば「記憶」もの流行ってますね。
映画のテーマとしては扱いやすいのかもしれませんね。
都合の悪いことは全部忘れさせちゃえばいいんですもんね。
韓国のドラマなんかやたら記憶喪失になってますからね…。(笑)
色バトンの件、謹んでお受けいたします!
投稿: しましま | 2006年2月26日 (日) 19時07分