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2006年12月15日 (金)

『空中ブランコ』・本

空中ブランコ 奥田英朗               文藝春秋 (2004年4月)
265ページ

空中ブランコ

伊良部総合病院地下にある神経科では、まるで5歳児のように自由奔放な振る舞いをする医学博士・伊良部一郎とミニスカートで胸の大きく開いた制服を着た無愛想な看護婦・マユミがいつも患者を迎える。今回の患者は、空中ブランコが飛べなくなったサーカス団員、尖端恐怖症のヤクザ、強迫神経症の精神科医、スローイング・イップスのプロ野球選手、嘔吐症の売れっ子恋愛小説家。今回も奇抜な治療(?)で患者の心を癒していく…。

『イン・ザ・プール』の続編だけど、つながりはないから単品でも楽しめる。

以前にテレビドラマでやった時は、この中の“空中ブランコ”“ハリネズミ”

患者さんが出ていた。個人的には“義父のヅラ”も映像で観てみたかったな。

前作の『イン・ザ・プール』と比べて、私は断然こっちの『空中ブランコ』の方が好き。

今回の患者さんは共感できる部分が結構あったのよね。

特に“空中ブランコ”のサーカス団員・山下公平には、すごく頷くけてしまった!

中学の時から何かしら部活に入って、学校生活がずっと部活三昧だった私は、休みの日とか放課後とか関係なく、ほぼ毎日のように顔を合わせて生活パターンが自分と同じヒトとばかりいつも一緒にいた。だから、狭く深く付き合うコトが当たり前になりすぎて、広く浅く付き合うコトに慣れていない。親しかった相手ともしばらく会っていなくて共通の話題が減ってしまうと、寂しさを感じて、そんな想いをしたくないから、つい距離を置いてしまう。だから社会に出て、一番長く一緒にいるはずの同じ職場のヒトが、仕事が終わると同時に全く違う世界のヒトになってしまうコトにも寂しさを感じて、やっぱり必要以上に距離を置いて、程よい距離感を保てずにいる。寂しいから、逆にバリアを作っちゃう公平の気持ち、すごく共感できた。

やっぱり伊良部の性格、羨ましいわぁ。

誰とでも仲良くなれちゃって、その人がその場にいるコトが普通、

逆にいないと少し寂しい気分にもさせちゃうような人間て憧れるわ。

そうそういつも無愛想なマユミにも、今回はちょっぴり泣かされた。

“女流作家”のところで最後にマユミがした行動がすごく可愛らしくて

なんだか一気にファンになってしまった。

マユミの独りでも全然気にならないってトコには共感できないけど

逆にそんなマユミだから、照れながらも素直な感想を伝えた姿に

すごく好感が持てて、気持ちが楽になり、思わずうるうるしてしまった。

次は『町長選挙』。図書館に予約したのは7月なのだけれど

そろそろ順番回ってくるかしら?

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