天使と悪魔(上)(中)(下) ダン・ブラウン 〔訳〕越前敏弥 角川文庫
(2006年6月) (上)331ページ (中)317ページ (下)333ページ
ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。それは十七世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった。紋章は男の死体の胸に焼印として押されていたのだという。殺された男は、最近極秘のうちに大量反物質の生成に成功した科学者だった。反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持ち込まれていた――。 ――上巻裏表紙より――
折しもヴァチカンは新ローマ教皇選挙会の当日。だが、次期教皇候補四人が揃って失踪していた。そこへイルミナティを名乗る人物から電話がかかる。かつて科学者を迫害した教会への復讐のため、教皇候補を一時間に一人ずつ殺していくというのだ。殺人はどこで行われるのか。反物質の隠し場所は。その鍵が十七世紀に書かれた詩に隠されていることに気付いたラングドンは、知力と体力を尽くして、殺人ゲームに挑むが――。
――中巻裏表紙より――
ラングドンの懸命の努力も虚しく、教皇候補たちはイルミナティを名乗るテロリストの犠牲となりつつあった。反物質の行方も依然として不明。さらにテロリストの魔の手は、殺害された科学者の娘ヴィットリアにまで迫ろうとしていた。果たしてラングドンに勝機はあるのか――。ついに明らかになるイルミナティの真の目的と、その首謀者。宗教と科学の対立を壮大なスケールで描くタイムリミット・サスペンス、衝撃の結末!!
――下巻裏表紙より――
面白かったぁ!『ダ・ヴィンチ・コード』よりも面白かったかも。
まあ、『ダ・ヴィンチ・コード』は本を読む前に映画を観たから
大まかな内容をあらかじめ知っちゃって、種明かしに驚きがなかったっていうのは
あるかもしれないけど。今作も『ダ・ヴィンチ・コード』に引続き
トム・ハンクスをラングドン役にして映画化が決定したというコトで
映画を観る前に原作を読んではいけないと分かっていたものの
図書館で借りてきてしまった。やっぱり伏線の引き方が上手い!
しかも、あらゆるところに縦横無尽に敷き詰められている感じで
思わず唸りそうになる。上巻は電車の中でしか読んでいなかったのだけれど
中巻に入ってからは家で一気に読み進めてしまった。先が気になって気になって…。
パターンは『ダ・ヴィンチ・コード』と一緒で、文庫本3巻にまたがっている
にもかかわらず、たった1日の出来事。濃い1日だわぁ。
でもタイムリミットがあるから悠長に謎解きなんてしていられない。
このスピード感とか焦燥感とかにどっぷり引き込まれちゃうのよね。
読み終わった時はかなり疲れたけど、充実した達成感みたいなものは味わえた。
ところで、パスポートなしにスイスまでは渡航の許可が下りていたとしても
その後ヴァチカンにまで飛んで行っちゃって、ラングドンはどうやって
アメリカに帰ったのかしら?
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